一面ガラス張りの正面から店内に入ると適度な間隔でテーブルが配置され、左側に並ぶ紅茶のキャ二スターが目に留まる。「お好きな席へどうぞ。よろしければ奥もご覧ください」と案内され、ケーキの並ぶワゴン前の通路を抜けると そこにはまるで誰かの家に招かれたかのような落ち着いた空間が広がっていた。このSalon de thé / サロン ド テ を経営するCorinne。ステキなデコレーションを施した、コージーな空間を作ることが夢だったという。店名Rose ThéのThéは「紅茶」、Roseは「バラの花と色のピンク」に由来する。花が大好きで隣でお花屋さんを営むパスカルとは開店当初から仲良くつきあっている。活気があるけれども騒がしいCaféや、気取り過ぎたSalon de thèとは一線を画す、静かにお茶を楽しめる、心地良い場所を提供したいという彼女の想いの実現されたお店。一杯のお茶でより長い時間くつろげるようにとの配慮から、隣のテーブルとの間隔もゆったりとっている。
Rose Thèでは常時、約40種類の紅茶が用意されている。飲んでみて気に入った茶葉を購入することもできるそうだ。茶葉は白、緑、赤、黒と各種そろえているが、フランス人に好まれるThé parfume(フレーバーティ)を多く扱う。定番のチョコレートケーキ、アップルクランブル、レモンタルトの他に季節ごとに用意されるホームメイドケーキは毎朝、Corinne自身が焼いている。ノエルの時期にはシナモンやへーゼルナッツ、アーモンドを使ったお菓子を作るそうだ。旬のフルーツ、野菜を仕入れるために頻繁にアリーグルのマルシェに通う。ミラベル、フランボワーズ、サクランボ、イチゴ、マンゴー、イチジク、マロン、クルミなど季節感いっぱいの素材をケーキにしているが、マルシェで新しいお菓子のインスピレーションを受けることも多いという。